古い記事にて失礼。
・2006年 コミック出版5000億円割れ
アニメ!アニメ!より抜粋。「出版科学研究のまとめによると昨年(2006年)の国内コミック市場の販売金額は、4810億円と前年比4.2%減と初の5000億円割れとなった。コミックは2年ぶりの減少、コミック誌は11年連続の減少、特にコミック誌の落ち込みが目立ちコミック誌の読者離れが続いているとしている。」とのこと。そして、こうしたコミック市場の傾向と、マンガが日本の誇るコンテンツの柱となる背景を踏まえた上で、「日本のエンタテイメントコンテンツ文化の基盤であるコミック市場の弱体化は気になるところである」として記事を締めている。
まぁ、ripple個人としても、コミック市場の縮小は気になるとこなんだけど・・・。んー、どうも見ている観点がズレている気がする。
以下、rippleの主観なので真に受けないように。
1つはマンガ誌とマンガの変化。最近って「マンガを売るためにコミック誌を作る」んじゃなくて、「コンテンツを作るためにコミック誌を作る」って方向にシフトしてきていると思うのですよ。つまり、小説やゲームやアニメや音楽や映画やドラマやミュージカルなぞに展開できるようなコンテンツ作りをマンガの段階から行っているって感じ(確か、今は亡き月刊少年ブラッドはその色が濃かったはず)。
こういったコンテンツには異常なほどに熱し易く冷め易い人気のスパンがあるので、じっくりと制作期間を設けないままアニメ化の企画なんぞが乱発しちゃうんだよね。「期を逃すな!」みたいなね(笑。そんなコンテンツ吸い尽くしの犠牲となったのがマンガな訳。ほら、ジャンプを見てみなさいな。売れ筋のマンガって、既にほとんどアニメ化しちゃってるでしょ?つまり、ほとんど掘りつくされちゃって枯渇した後なんですよ。
それゆえ、10年単位の長期連載を目指してじっくり攻めるマンガより、短期連載だけれど瞬間風速がすごいマンガが数多く求められていると思うのです。コミック誌の乱立なんかがその最たる例だと思ってます。
そんな訳で、コミック誌に求められているモノと連載マンガの質が昔と微妙に変わりつつあるので、単純に市場の縮小傾向だから何だとは言えないと思うのですよ。
もう1つは、上記で挙げたメディアミックス的な手法による影響。例えば、「涼宮ハルヒの憂鬱」にハマってしまった人は、原作のラノベを買い、DVDを買い、マンガを買い、CDを買い、携帯の着信音も変えて、一部の人は同人誌にも手を出しちゃったりするよね(笑。つまり、ラノベ原作の稼ぎは少なくとも、「涼宮ハルヒの憂鬱」というコンテンツ全体として見れば、かなり大きな市場と見ることができる。
だから例えコミックスが売れていなくても、メディアミックスも踏まえたコンテンツ市場全体を見渡すと、結果的にはそれほど嘆かわしい事態になってるとは思わない訳です。そもそも上で述べたように、メディアミックス前提な部分もある訳だから、出版社としてもコミックスにだけ販促の力を注ぐ訳もいかないだろうし。
コミック市場縮小の原因に若年層の減少を指摘する人もいるけれど、それは今までマンガを読まなかった層(ヲタの高年齢化)が読み始めていることで相殺できてる気がするし、携帯や映画、インターネットの費用だってアニメのコンテンツ利用のために使っていることが多いことを考えると、コンテンツ市場全体で捉えればさほど影響は無いように思ってます。もうコミックスの市場だけみてコンテンツがどうのこうの言うレベルじゃないってこった。
んで、今後のコンテンツとしては、どの辺が注目されているのかと言いますと。
ライトノベルに再び熱い視線が注がれてるかなぁと感じてます。「ゼロの使い魔」「涼宮ハルヒの憂鬱」といったラノベ原作タイトルの成功の実績があること。またついに小学館からもガガガ文庫やルルル文庫が創刊されることなどがその理由かなー。
あとはインディーズ出身のコンテンツたち。まだ1つの波を確立するには及ばないものの、着実に影響力を強めてきたジャンルかな、と。新海誠さん然り「やわらか戦車」然り。もっと広く捕らえれば同人発の「月姫」や「ひぐらしのなく頃に」、あと「びんちょうタン」なんかもここに入るかな。
結局何が言いたかったというと(笑。
マンガだけが「コンテンツの要」なんて時代はそろそろ終わりですぜ。もちろん、これからも重要な位置にいるとは思うのだけれど、これからの時代はもっといろんな所からコンテンツが育ってくれても良いと思うのです。ミュージカルや演劇がアニメになっても良いし、「エジソンの一生」みたいに芸能人・偉人のドキュメンタリーをマンガにしても良い。アニメの間口が幅広い層に広がりつつある今、何もマンガにこだわり続ける必要は無い。もうちょっと広い視野で世の中を見渡せば、コンテンツなんてそこら中に散らばってます。それをどのメディアでどう魅せるかが、コンテンツプロデューサーの手腕ってヤツです。
そんなコンテンツ業界の端っこで働く人の戯言。